2010/06/13 (日) 21:56:22 ◆ ▼ ◇ [qwerty]食事語彙史上の「よるごはん」
発表者/橋本行洋氏(花園大学)
近年、〈夕食〉を意味する語として、「ゆうごはん」「ばんごはん」に代わり、
「よるごはん」という語が若年層の話しことばを中心に広く使われているが、
現行の国語辞典には立項されていない。本発表では、この語の使用状況を
観察するとともに、その成立と定着について、社会的要因をも考慮しつつ、
語彙史研究の観点から考察を加えた。
「よるごはん」という語の成立の背景には、中世までの一日二食が近世には
一日三食になり、「あさ―ゆふ」という二項対立から「あさ―ひる―ゆふ」という
三項対立になったことがある。加えて「ばん」という語に卑俗性があること、
「よる」を前項とする複合語は多くの場合「ひる~」乃至は「あさ~・ひる~」
との対応で、明治以降に現れることも影響している。またこの語の定着には、
「あさ―ひる―よる」という《語彙体系のささえ》に加え、夕食の時間帯が
「ゆふ」→「ばん」→「よる」と遅くなり、さらに朝食欠食率の高まりにより
「ひるごはん」―「よるごはん」という新たな二項対立が生まれるという、
社会的要因が関係していると考えられる。
今後の課題・展望としては、初出時期の確定、児童語(育児語)という可能性の検証、
発表者が手がけた他の新語との比較などがある。
質疑では、三食とは別に「夜食」を食べる習慣の有無との関係や、明治以降明るさとは
無関係に一日三食という西洋の概念が入ってきたこととの関係に関する質問などが
あった。 (新野)
いやあ(;´Д`)それでも俺は晩ご飯と言いたいね