>  2010/07/03 (土) 23:48:56        [qwerty]
> > 句読点を使いすぎると相手を馬鹿にしてると
> > とらえられるらしいな(;´Д`)
> 俺は、句読点を、多用する人は、キチガイだ、と聞いた。(;´Д`)

富士の頂角、広重の富士は八十五度、文晁の富士も八十四度くらゐ、けれども、
陸軍の実測図によつて東西及南北に断面図を作つてみると、東西縦断は頂角、
百二十四度となり、南北は百十七度である。広重、文晁に限らず、たいていの絵の富士は、
鋭角である。いただきが、細く、高く、華奢である。北斎にいたつては、その頂角、
ほとんど三十度くらゐ、エッフェル鉄塔のやうな富士をさへ描いてゐる。けれども、
実際の富士は、鈍角も鈍角、のろくさと拡がり、東西、百二十四度、南北は百十七度、
決して、秀抜の、すらと高い山ではない。たとへば私が、印度かどこかの国から、
突然、鷲にさらはれ、すとんと日本の沼津あたりの海岸に落されて、ふと、
この山を見つけても、そんなに驚嘆しないだらう。ニツポンのフジヤマを、
あらかじめ憧れてゐるからこそ、ワンダフルなのであつて、さうでなくて、
そのやうな俗な宣伝を、一さい知らず、素朴な、純粋の、うつろな心に、果して、
どれだけ訴へ得るか、そのことになると、多少、心細い山である。低い。
裾のひろがつてゐる割に、低い。あれくらゐの裾を持つてゐる山ならば、少くとも、
もう一・五倍、高くなければいけない。,

参考:2010/07/03(土)23時46分16秒