> 2010/07/10 (土) 05:23:52 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> 僕は飼っていたれいむを殺した。
> とても可愛がっていたのだけれど殺した。
> れいむは素直なゆっくりだった。
> 赤ゆの頃からずっと一緒だった。
> 共に過ごした時間は楽しかった。
> まだ赤ゆの小さな体で一生懸命にリビングを跳ね回る姿。
> のーびのーびの練習をしては結果を僕に逐一報告しにやって来た。
> 「ゆっくち!ゆっくち!」
> ピンポン玉の赤れいむの姿が見えないときは耳を澄まして声のする方向を探した。
> うっかり踏み潰してしまわないよう、慎重に、慎重に。
> 「むーちゃ、むーちゃ、しあわちぇぇぇ!」
> 美味しい物を食べさせてあげたときの涙目で叫ぶ大袈裟な感情表現が愛くるしかった。
> 指で頭をぷにぷにと触ってもらうのが大好きだった赤れいむ。
> 一番好きな食べ物はなんだっただろう。
> いつか適当に与えた缶コーヒーを飲ませてあげた時が一番はしゃいでいたかもしれない。
> 砂糖がたっぷり入った甘い甘いコーヒー。
> れいむは何かいい事をしたと自分が思ったときに、ご褒美として僕に何度も缶コーヒーを要求した。
> 「ゆゆっ! おにーさん! しんぶんさんをもってきたよ!」
> 「ゆゆっ! おにーさん! れいむ、うんうんをじぶんでおかたづけできたよっ!」
> 「ゆゆっ! おにーさん! れいむ、ごはんさんをたべおわったおさらをかたづけてくるねっ!」
> 「ゆゆっ! おにーさん!」
> 「ゆゆっ!」
> チラチラと僕の顔色を窺いながら。
> ソワソワとした様子で得意気に話す。
大きくなったれいむはやっぱり缶コーヒーが大好きだった。
れいむは聞き分けのいいゆっくりだったけれども、掃除機の音が大嫌いだった。
「ゆゆっ! おにーさん! うるさくてゆっくりできないよ! やめてね!」
掃除機とはそういうものだ。
僕が言う事を聞いてくれないと思ったらしく、ふくれっ面になるれいむ。
掃除の邪魔になるからどいてくれと言っても聞いてくれなかった。
何度言ってもその場を動かないから僕はついつい足でれいむをどかしてしまった。
それがショックだったのだろうか。
大声で泣き出したれいむは、泣き終わってからもしばらく僕と口を利いてはくれなかった。
その日の晩御飯をれいむは食べなかった。
次の日の朝御飯も。
「ゆひゃっ!」
だから僕は無言でれいむの頬に冷たい缶コーヒーを押し当てた。
びっくりしたれいむは僕に散々文句を言いながらも気がついたらボロボロと涙をこぼしていた。
僕も悪いことをしたと思っていたから素直にれいむに謝った。
抱き上げたれいむの柔らかさと温かさは今でも忘れない。
僕はれいむが大好きだった。
世界一の飼いゆっくりだと思っていた。
自慢のれいむだった。
参考:2010/07/10(土)05時22分58秒