> 2010/08/05 (木) 15:03:32 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> > 新入社員の頃、課内で「伝説の鈴木さん」という名前がよく出ていた。
> > ある日、主任から「この書類、伝説の鈴木さんに渡してきて」と頼まれた。
> > 「どこにいらっしゃるのですか?」と聞き返したら、
> > 「伝説の鈴木さんなんだから伝説の部屋に決まってんだろ。
> > 3階の奥だよ」と言われた。
> > 伝説の部屋という言葉にわくわくしながら3階の奥へ行くと「電気設備課」があった。
> 続きを
彼はカップ酒を片手に我々を手厚く歓迎してくれた。
「ようっ!新人くんじゃねけか」もはや聞き覚えのないあやしい語に
僕達は一瞬とまどいを見せるがすぐに彼の頑丈な段ボールハウスへと向
かっていった。
「鈴木さん…お仕事は」と続けようとした時、他の住人達に咎められた。
そう、彼はフリーマンなのだ。自由を満喫している、大空を羽ばたく鳥の様に。
僕たちはフリーマンの家で朝まで語り合った。現実世界のしがらみ等を忘れて
ただ語り合った。そう、昔のみらいの様に…何故か涙が出そうになった。鈴木さんはそれを見て一番綺麗な消費者金融のティッシュを一枚分けてくれた。
帰り際、「今日は突然押しかけてすいません、鈴木さん」僕達はそれだけ言う
と、そのフリーマンは爽やかな顔で、「迷ったらいつでもおいで」と一言だ
け言い残し段ボールハウスへと帰っていった…。僕たちはいつまでも鈴木さんを忘れないだろう。いつまでも…いつまでも…
参考:2010/08/05(木)15時00分24秒