2010/08/19 (木) 19:39:22        [qwerty]
南京大虐殺を描いた 『南京!南京!』 という映画がある。 

これを撮った 陸川(ルー・チュアン) という中国の監督は、 
この映画の日本での公開をはたらきかけ、 
「日本国内では表現の自由が認められているはずだ」という大義名分のもとに、 
 『南京!南京!』 は日本公開されることとなった。 

ところが、その陸川監督が今年の1月、 
アメリカで行われた、「パームスプリングス国際映画祭」という映画祭参加を急遽辞退した。 
理由は、その映画祭では『南京!南京!』を上映するとともに、 
『雲の後ろの太陽』という、チベット問題を扱った映画も上映されるということを知ったからだった。 

陸川監督は辞退の理由をこう述べた。 
「すべては国家の利益を重んじる。 我々の態度はいかなる交渉の余地もない辞退だ」 
つまり、日本で『南京!南京!』を上映する時は、「表現の自由」を訴えたのに、 
アメリカでチベット問題の映画を上映することに対しては、 
「中国の利益を損ねるから参加しない」と言ったのだ。 

いま、崔洋一監督のことでモメているが、 
「映画監督」は進んだ思想の持ち主と人とは、かならずしもかぎらない。 
彼らは、「表現(宣伝)したいものがある」から映画を撮っているのであって、 
それが、自由や公正を重んじることと同義とは限らないのだ。