地元周辺を歩いていると、小中時代の同級生に出くわすことがある。 もちろん挨拶などしない。向こうはこちらをロクに覚えてもいないだろう。 当時は不良のレッテルを貼られていたような奴らが、奥さんや子供を連れて幸せそうに買い物をしている。 立派な家庭人として、社会人として暮らしている。 それに比べて俺は何なんだろう。ろくに定職ももたず、結婚はおろか恋愛経験すらない。 かつて禁止されていたゲームやアニメが今の生きる支え。 かつて読んではダメと言われていた劣悪図書が部屋に溢れている。 俺は幸せになれるはずの優等生ではなかったのか? 親は先生はそうなるために俺を褒めてくれていたのではなかったのか? 誰が悪いのか?親か?学校か?社会か?それとも俺か? 両親はそんな俺に何も言わない。ただなんとも言えない閉塞感と劣等感と後悔だけが俺を支配している。