> 都落ちした私は母校の大学7階で海を眺めていた。 > 死ぬか。そんなことを考えながら呆けていると、 > 「ブ」 > 「ブ、ブ」 > という羽音が聞こえた。 > カメムシであった。 > 外に出たいのをガラスに遮られ当惑している様子であった。 > 私は彼を優しくつまんだ。鮮やかな薄緑が美しい。 > 窓の外に手を伸ばすと彼は一瞬躊躇したのち飛び立った。 > 風に翻弄されながらも羽ばたいて、そして消えた。 > ここは7階。かれらカメムシが自力で至れる高さではない。 > 彼はそびえる巨石と、それすら見下ろす高さから世界をみた。 > 仲間と合流したとき、その絶景を伝える言葉を彼は持たない。 纏ったら小町に上げろよ 参考:2010/09/06(月)18時01分16秒