2005/09/11 (日) 00:41:56        [qwerty]
土地家屋調査士で信州昆虫学会員の高見沢今朝雄さん(53)=南佐久郡佐久穂町大日向=が、 
クロスズメバチの新種を発見したとして、「シナノヤドリクロスズメバチ」の和名で発表する準備を進めている。 
クロスズメバチが属するスズメバチ科は昆虫の中でも研究が進む分野で、 
国内に新種はいないと考えられているだけに、専門家の間で注目を集めそうだ。 

クロスズメバチは、高見沢さんが2003年に南佐久郡南相木村で採集。 
標本にした体長16ミリの雄の1個体を、今年7月に国内外の文献やインターネットなどで調べ直した。 
その結果、ハチ目スズメバチ科クロスズメバチ属で確認されている種では見られない 
腹部の模様や頭頂部の斑紋のパターン、交尾器の形態があり、国内では6種目となる新種と判断。 
10月出版の「日本の真社会性ハチ-全種・全亜種生態図鑑」(信濃毎日新聞社刊)で発表を予定している。 

高見沢さんは1988年に、このハチが他のハチの巣に寄生している写真を撮影したときから気にかかっていたという。 
「社会寄生性種で、他のハチに寄生して生活するタイプと考えられる。 
目撃できるのは6月から7月上旬と、8月下旬から9月中旬に限られるため、これまで発見できなかったのではないか。 
寄生した巣を見つけて生態を詳しく調べたい」と話している。 

昆虫生態学が専門の山根爽一・茨城大教育学部教授は 
「新種と確認するには複数の標本があることが望ましい。 
もし新種であれば研究が進んだクロスズメバチ属での発見となり、非常に興味深い」と話している。