では、イラストレーターはどうかというと、 先に書いたように、自称するのは容易だが、他称されるのは困難、という現状があります。 憧れの作家と同じ作風を手に入れても、 個性がないので仕事が貰えないという点も見逃せません。 食えない時期はバイトするしかありませんから、 蓋を開けてみると単なるフリーターになっていたという可能性が大です。 それに、時給バイトの空いた時間で絵を練習するイラストレーターなど、 会社から帰って絵を練習するサラリーマンと同じ…… いや、バイトであるぶん先が見えません。それ以下です。 実際に、業界の現状を注意深く観察した結果、 アマチュアの道を選んだ人も多くいます。 今は肩書を求めて就職活動する人が少なくない時代ですから、 このように冷静な人はどんどん減っていくことと思いますが……。 「俺は真剣だ」 ということを証明するために、プロを目指す……それが正しいことかどうかは 一旦置いておきますが、画に対する真剣さは、結局、紙と鉛筆で明らかにするしかないのではないでしょうか。