流れる風景が好きだった・・・ 冬、雪の舞う街。 新しい足跡を残しながら商店街を駆け抜けることが好きだった 春、雪解けの街。 木々の幹に残る小さな雪の塊を、手で掬い取ることが好きだった 夏、雪の冷たさを忘れた街。 傾けた傘の隙間から、霞む街並みを眺めることが好きだった 秋、雪の到来を告げる街。 見上げた雲から舞い落ちる小さな白い結晶を 手のひらで受け止めることが好きだった そして季節は冬 雪の季節 街が白一色に覆われる季節 流れる風景が好きだった だけど、雪に凍りつく水溜りのように ボクの時間は止まっていた