東京都内の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で、アジア大会に向けた派遣準備手続きの一つとして、 ドーピング(禁止薬物使用)検査が行われた。囲碁の棋士にとっては初めての経験だった。 本因坊道吾(どうわ)の号を名乗る日本代表主将の山下敬吾は、検査員の目の前で排尿することに驚いたが、 それと同時に囲碁が「スポーツ」の仲間に入ったことも自覚した。 「これまで囲碁は文化や芸術という頭しかなかったが、アスリートの考え方も持たなければならない」と山下は語る。