2010/11/06 (土) 22:10:04        [qwerty]
初めまして。
西川と申します。
豊島さんの作品は、シベやエピカル、人形姫のゲストも含めて多数所有しております。
また、L・Pやブリッコの記事も同様に目を通しております。
アニメファンである私にとって、豊島さんの考察はとても興味深いものです。
驚かれるかもしれませんが、(以前、計奈さんには大層驚かれました)私は21歳でございます。
育った環境が少々特殊だったこともあり、30年以上前の漫画ばかり読み、
その時代のアニメ誌や同人誌からこの世界に足を踏み入れました。
しかし、アニメの歴史をその目で観てこられた古参アニメファンには、
私はいくら願ってもなれるものではございません。
その古参の一人であられる豊島さんとは、一度コミケットなどでお会いしたいと思っておりましたが、
私がコミケットに参加するようになった時は既に引退され、
(601の沖さんに聞きましても「音信普通」との事でした)
今はご病気を患われていると聞き驚いております。
くれぐれもお体に気をつけてお大事になさってください。

最近ここを賑わせている「俺妹」ですが、
私は普段「萌えアニメ」どころか近年のアニメ自体を滅多には観ませんし、
並みの駄作ならば、わざわざ貶す為に観ることもありません。
しかし、豊島さんが評論されているのを読みまして、
そんなに酷いアニメなら…と逆に妙な興味をそそられ、1話だけ観てみました。

私は、恐らく年代としては、このアニメが狙っている連中の一人なのでしょう。
その昔、豊島さんはアニベールで「キャラクターに対する保護欲(実は自己愛とほとんど同義)」と書かれていましたね

。
しかし、この作品のキャラクターにはアニメファンを自認している若者のはずの私も感情移入できません。
これを批評するために見続ける豊島さんの忍耐力には敬服致します。
私自身、アニメックやOUT、宇宙船は愛読しておりましたし、
いわゆるロリコンまんがも、「幼女と少女がもんちっち」から「撃殺!宇宙拳」まで、
当時のありとあらゆるものを読んで参りました。
ロリコンアニメにしても、例えば「りっぷ・すてぃっく」はキャラ表も所有しております。
いくつか同人誌と同人ゲームも製作して、コミケットで売って参りました。
ですが、この作品の中核を成すと思われるエロゲーはPC98時代のものを多少やった程度、
近年流行のライトノベルも「富士見美少女文庫」の倉田裕子さんの作品しか持っておりません。
結局、この作品の登場人物とは、アニメファンであっても、共通性を見出すことはできませんでした。
また、たとえ同じ趣味の作品が放映されても、やはりあきれ返ったと思います。
例えば自主制作アニメの「超ロリコン要塞ランジェ」は「邪道」として大好きですが、
プロがTV放送すればあきれ返ったでしょう。
上記の作品は自主制作アニメですから、ストーリーがなかろうが、罪のない遊びとして楽しめましたが、
もし「金になる」と、安易に人目を惹く要素、売れそうな要素だけを集めた企画が
まかり通るようになるならば、企画側は堕落への道を突き進むでしょうし、
それがアニメファンの支持を集めたら、ファンダムの将来は絶望的なものになるでしょう。

上記致しましたように、個人的には「俺妹」のキャラに魅力は微塵も感じませんが、
それとは別に、兄妹愛、近親婚に関しましては、作家の実力が伴っていれば、
「夢物語」として大いにアリだと思います。
私は子供の頃アトムの『白い惑星の巻』を読んで、光子みたいな妹が欲しいと思いましたし、
今はポーの一族のメリーベルが一番美しい少女だと思っております。
それに兄妹愛は、実の妹ならアンドロメダ・ストーリーズ、義理の妹ならジョージィ!がありましたし、
現在読んでいるマリーベル(上原きみこさんの方)も今のところそんな感じでございます。
またロリコン趣味にしましても、今はただの犯罪者としか思われなくなってしまいましたが、
かつては少女の性は神聖さを持ち、そこには儚さと美しさ、いわばロマンを感じました。
豊島さんがシベに描かれました、マッチ売りの少女の話は大好きです。
同人誌以外でも、初期のマイナーロリコン誌は「すけべえ」があれば、後は好きなものを描けたと聞きますし、
実際に当時メジャー誌では嫌われたSFやファンタジーの名作も多かったと思います。
しかし近年のロリ漫画は、残念ながら少女趣味の繊細さや優雅さは失われ、
残っているのは、性表現のエスカレートという「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」としか思えなくなりました。
近年は同人誌すら企業ブースと大手原画家が巾を利かせ、
どこの誰が読むかわからないインターネットも、ファン同士の交流は難しい時代になってしまったと痛感しております。

かつてのファンとして、豊島さんの復活を、そしてエピカルからエクシードまで続けられた、
「連載『もくじ』」の復活を願っている人がいることを心の片隅にでも覚えていただければ幸いです。
それでは、失礼致します。

「かーいーもん!」