早朝、山々には冷たい空気が流れこみ、生い茂る木々の間を靄が満たしている。 日頃無機質なコンクリートに囲まれ、子供向けのお菓子のように強烈な色彩のネオンしか目にしない生活だからであろうか、寝不足なのに嫌な気分がしない。 向島を出てから既に2時間運転し続けているがようやく目的地に近づいてきたようだ。 「絶対に助けるからな…」助手席にはいつもある姿の代わりに、AOCのパッケージが佇んでいた。 202.216.94.245 @2