2011/01/29 (土) 15:48:37        [qwerty]
『僕はこの作品を一生忘れない。』

私事で恐縮でははあるが、最近頭がぼんやりしていた。景色を見ても輪郭がはっきりしない。
 音楽を聴いても憂鬱なだけ。号泣必至とされる映画を観ても涙一滴こぼれない。
俺は眠っているのか?と自問自答する程、全身がけだるい日々を送っていた。無気力、無感動
な日々は永遠に続くとさえ思えた。

事務所でマスタリング前のミールの新譜をもらった。帰りの車で聴いてみた。

鼓膜から伝わるその声と音流、そして言葉に眼球がクワッと座った。
ハンドルを握る手が汗ばんで、アクセルを極限まで踏んだ。
加速する程にネオン光を帯びて音が前方から後方へ渦を巻きながら流れて行くのが鮮明に見えた。 
『生きてんのか?死んでんのか?はっきりしろ!』ぼんやりしていた自分の脳みそのシワ一つ一つが 深く、
鋭利に鮮明さを取り戻した。
久しぶりの強烈なビックバンは、辛うじて生きていた僕の脳細胞にドーパミンなんかよりも強力な
活力を与えてくれた。 

『すげえバンドがいたもんだ。』 

今さらだけど彼等をさらに深く尊敬する事になっちまったぜ。ちくしょう。
『ヤラレタ。』と言える作品にすごくすごく久々に出逢った。 

遠藤仁平(ex COCKROACH 無限マイナス)