赤松 赤松理論には「楽しみ代」という概念があるんです。自分が描いてて楽 しいと、自分が楽しみ代を払ってることになるからもうからないんです。編集 者や読者を楽しませようと思って描くと、楽しみ代が自分に入ってくるんです よ。自分が楽しんでいたら、自分が楽しみ代を払うから、ほかの人は楽しみに くいし、デビュー確率も下がる。 楽しみ代がいっぱいかかるジャンルは、描いてて楽しいからみんな来て、執 筆人口がとても増えるんです。すると原稿料も安くなってもうからない。だか ら楽しみ代が掛かるものにはなるべく手を出しちゃいけない。趣味のオリジナ ル同人誌はすごく楽しいんですけど、同時に楽しみ代もすごく高いはずです。 逆に商業誌はいろいろな人を楽しませないといけないから、自分が楽しんでる 暇は少なくなる。その分楽しみ代が入ってくる可能性は高い。