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政府、福島原発周辺に避難指示 冷却装置に障害
2011/03/12, 01:42, 日経速報ニュース, 830文字	

 政府は11日夜、東日本巨大地震の被害を受けた福島県の東京電力福島第1原子力発電所2号機
の半径3キロメートル以内にある大熊町と双葉町の一部住民に、原子力災害対策特別措置法に基
づく避難指示を出した。3~10キロ圏の住民にも屋内待機を指示。枝野幸男官房長官は12日午前
0時すぎの記者会見で「非常時の炉心冷却装置による注水が不能な状態が続いているが、放射性
物質の放出はない」と語った。
 これに関連し、クリントン米国務長官は11日、ワシントンで米軍による支援について「米空軍
が非常に重要な冷却剤を原発施設の1つに届けた」と語った。ロイター通信が伝えた。
 福島県によると、このままだと原子炉内の水位が低下し、燃料棒が露出して圧力容器が損傷す
る恐れもあるという。水位低下を防ぐための電力を供給する電源車が午後10時すぎまでに現場に
到着。12日午前1時30分ぐらいまでに冷却機能を回復できる見通しとしている。東電の広報担当
者は12日午前1時に「仮設電源で原子炉内の水位は確認できる。安定しているものの、徐々に低
下している」と発表した。
 これに先立ち、菅直人首相は原子力災害対策特別措置法第15条に基づく原子力緊急事態宣言を
初めて発令。北沢俊美防衛相も11日夜、自衛隊に原子力災害派遣命令を出した。同原発付近に航
空機部隊などをさらに派遣し、情報収集や住民らの避難・誘導にあたっている。大宮駐屯地の陸
自化学防護隊を同原発周辺に出動させた。各被災地に派遣される陸海空3自衛隊は総勢8000人規
模となる見通し。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、地震で同原発の原子炉が自動停止したが、冷却水を
注水するための非常用ディーゼル発電機が稼働せず、現在はバッテリーで動かしている。
 仮に電源を十分、確保できず、炉に穴が開いているなどの問題があると再び温度や圧力の上昇
を始める。最悪の場合は炉にひびが入るなどの事態が想定されるが、危険な状況に達するまでに
は1日余りの猶予があるとしている。