俺はそいつらを「仕上げ屋」と呼んでいる。 漫画家のアシスタント。 大抵は仕上げ屋のままで終わる。 からっぽなのに業界にすがりつく虫けらたち。 目の前に3人 俺に摂取され放題の背中を丸めて机に向かってる。 俺はこいつらが余白を埋めるのを待ってる。 俺の描いた落書きの周りを懸命に埋めるドカタだ。 こいつら何が面白くてこんな業界にいるのか判らない。 反吐が出る。 こいつらも 出版社の奴らも 俺の漫画を金出して買う奴らも。 みな頭の先からつま先まで糞が詰まった歩く便器だ。 終わったらしい。 最後のチェックをお願いします だと。 何がチェックだ。 こんなもの良いも悪いもあるわけない。 低俗なポルノの助長。 下半身でしか読めない文字と絵がおりなすセンズリ。 俺はタバコをもみ消して目でOKの合図を出す。