編集のバイトが原稿を取りに来た。 こいつも何を考えてるかわからない低脳だ。 こんなバカげた落書きを後生大事に抱えて帰る。 仕上げ屋どもも帰る。 顔に疲労と少々諦観を浮かばせて。 最後に挨拶して帰るチーフと呼ばれるあいつらの長。 こいつはちょっと見所がある。 漫画なんか愛していない。 ただの小銭稼ぎぐらいにしか思っていない。 自分が苦労しなくても金を生み出す金脈システムを 今のうちから考えて実行してる。 俺のところに来たときだって「大金持ちになりたい」と言った。 金だけが全てだと。 俺は即座に気に入って採用した。 持ち込んだ絵なんか後で見たくらいだ。 こいつは他の2人みたいな糞便器じゃない。 摂取される社会の餌じゃない。 喰らう方に回れる奴だ。(続く)