2011/03/26 (土) 12:39:39 ◆ ▼ ◇ [qwerty] まず、安全性の論議ですが、アメリカの議論は主として二つに集約されます。一つ
は、原発の老朽化という問題です。この点からはアメリカの視線は主として「1号機」
に注がれています。今回のパネラーの一人である、アレクサンダー・グラサー准教授
(同大の国際政治学部と航空宇宙工学の兼任)も指摘していたのですが「GEマーク
1」と呼ばれる一号機と同型の炉は、現在アメリカでも多く稼動しており、稼働から
40年以上を経過した炉が多く存在しています。
この点に関しては、アメリカ政府の原子力委員会(NRC)は「新型炉への交換に
はカネがかかる」ことを理由とした各運転企業からの「稼働免許の延長」を要請され
ており、一方で「老朽化した炉の稼働延長は危険」という反対派との間で政治問題化
しているのです。これは福島の事故以前に色々な形で問題になっていました。
アメリカがとりわけ「1号機」に関して「格納容器から水が漏れているのでは?」
とか「初動での海水注入が遅かった」とか逆に「海水注入は危険、用意するから今か
らでも真水を」などと色々なことを言ってくる背景には、一見すると日本サイドへの
不信感があるように見えます。ですが、そんなことよりも「老朽化した炉の危険性」
を自分の問題として捉えているという点が大きいと思われます。