2011/04/04 (月) 16:46:40        [qwerty]
よくよく考えてみれば、80年代の警察やFBIが出てくる娯楽映画は
現実に即した物なんてほとんど皆無だが、どれも面白い物ばかりだ。
90年代初期の本作はそういう面白さになんだかリアル臭いエッセンスが掛かっていて、
一段も二段も上の娯楽になっている。ふざけた感じもせず、ひたすらまじめに面白い。
娯楽とまじめのバランスがふとしたきっかけでバラバラになってしまいそうな作品だが、
それがまた良かった。残念なのはテレビで芸人だか何かが研修生がこんなことしない、
とかおもしろおかしく突っ込んだせいでそういう見方がパンデミックのように広がったことだ。
超話題のアカデミー賞作品だったのがいけなかった。普通のしょうもない刑事映画だったら
そんなことにはならなかっただろう。そのせいでつまらない映画に突っ込みを
入れて楽しむ事とは別に、時々面白い映画までそうやって斜に構えて
現実と比べてみたりするようになっちゃったじゃんか。嘘が入ってなきゃ成立する訳無いだろフィクションが。
この後ついつい気にくわないと、「わざとらしい」「作られてる」「実際と違う」などと
1+1は2に決まってるだろ的なことを言うようになってしまった。そういう契機になった映画だ。
そういう発想を植え付けたテレビという物が非常に忌々しい。
でも、やっぱ研修生が単独捜査で拳銃片手に猟奇殺人者を追い詰めたりしないよな。な?