2011/05/18 (水) 23:17:41 ◆ ▼ ◇ [qwerty]ーまず作品のテーマと制作経緯を教えてください
長:見たままなのですが、「小学生の時に仲のよかった友達が高校生になると不仲になったりするよね」という思春期の心変わりがテーマです。
経緯は「とらドラ!」で一緒だった脚本家の岡田麿里さん、キャラクターデザインの田中将賀さんの3人で「また何か一緒にやろう」と話していたのがきっかけです。
「あの花」は岡田さんから提案された企画なのですが、ふわっとした雰囲気がすごくきれいな感じでした。楽しい仕事になりそうだなと。
ー作品化にあたり工夫した点は
長:驚かしもあまりなく、アニメ向きの題材ではなかったので、キャラクターデザインをアニメっぽくしたりしました。
ーなぜ秩父を舞台設定のモデルに?
長:私自身も新潟出身で田舎者で、もう田んぼしかなくて地平線が見えるような(笑)。
地方には東京の高校生にはない鬱屈した部分がありますよね。華やかなものは情報として知っていて、憧れているんだけれども、目の前には山がある、みたいな。
それに主人公の閉塞感がリンクするんじゃないかと。なので最初から海ではなく、山と決めてました。
ー実際に足を運ばれたそうですね
長:ええ2度ほど。とても素晴らしいところで、きれいですよね。秩父橋とかシンボリックな建物とかも多く、観光都市でありながら生活感もあるところがいい。
どこを向いても山が見えて、背景も作りやすいし、街並みの高低が画になります。
ーその情景が写真のように細かく忠実に再現されています
長:参考写真をいっぱい撮らせていただいて、一枚一枚書き起こしています。本来のまちの持っている生活感を出したかったので。盆地特有の濃密な空気感も意識しました。
ーほかに埼玉といえばどんなイメージですか
長:番地が分かりずらいですね。千何番もあって一つ一つの区画が広い。
この業界に入る前はバイク便をやっていたんですけど、埼玉に行くのが苦痛で。それが一番最初の思い出です(笑)。あ、川越とか絵になる場所も多いですよね。
ー完全オリジナル作品は初めてとのことですが
長:自由度が高過ぎるところが良くもあり、難しくもあるところです。あれもこれもと思うと入らなくて、うまくまとめるのが大変。
でもオリジナルでやらせてもらえる機会はあまりないと思い、3人で「とにかく丁寧にやろう、悔いが残らないようにやろう」と。
ー第1話から大反響ですが、予想していましたか
長:いえ、顔を青くしています(笑)。いい作品という自負はありますが、動きに乏しく地味な作品なので、実はアニメファンに受け入れてもらえるとは思っていませんでした。
モデルになるものがないので、どういう受け止められ方をするのかも全然読めなくて。
ー作画の評価も高いです
長:それはもう田中さんをはじめ作画陣をほめてあげてください。
ー今後の展開がとても気になりますが、見どころを一つ
長:めんまの死をきっかけに疎遠になったメンバーたちが、心に引っ掛かったことを少しずつほぐしていくという展開になります。
それぞれの心の動きを追っていただければと思います。
ー最後に読者やファンの皆さんにメッセージをお願いします
長:秩父という素晴らしいところをモデルとさせていただいておりますので、舞台負けしないように精一杯作っていきたいと思います。キャラクターたちの成長を最後まで見守ってください。