人間は一茎の葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。 だが、それは考える葦である。彼を押し潰すために、宇宙全体が武装するには及ばない。 蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに充分である。 だが、たとい宇宙が彼を押し潰しても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。 何故なら、彼は自分が死ぬことと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。 宇宙は何も知らない。