前半試合を有利に進めていたという自信はあった。 かなり仕上がっていてね、うぬぼれではなくキレていたよ。 ───実際イイところまで追い詰めたシーンが何度かありましたね。 だが今にしてみれば巧妙な仕込みだったね。 気が付いたときは可聴域外の叫声によって私のバランス器官はズタズタにされていた。 金田朋子、恐るべき小兵だよ…。 ───あのときすでにマトモに立てる状態では無かったと。 声優界には『翔べぬ大鷲は雀より容易い』という言葉があるが、まさにそれだったな。 テレビ放映された試合を見ていたファンはご存じだろうが、後は酷いもんさ。 ファイナルR(ラウンド)、私は残り時間ずっとミニミニミクロにされていた。 (月刊『秘伝』 斎藤千和インタビューより)