2011/09/05 (月) 17:04:04        [qwerty]
(前回からの続き)
マリみて(マリア様がみてる)4期オーディションでの事だったそうだ。
どの応募者も殺気立っていたところにね、一人の女性が入って来た。
2メートルを超す巨体だらけの中ではずいぶんと小柄に映ったろうね。周りが嗤いながら囃し立てたそうだ。
「用務員志望かオバさん?」「見ろよこの痩せた腕!犬どころかバクテリアだって食わねーぜ!」
その時点で何かを察した植田は会場の外へ逃げたと言っていた。
異様な静寂の後、唐突にドアが開き…腹にパラソルをさした応募者が飛び出してきてそのまま倒れた。
次の者は吐瀉物でキラキラまわりながら廊下を転がり、壁に激突したと…。
廊下のくもりガラスの向こう側はすでに真っ赤に染まっていたらしい。
───ややホラーですね。
植田が会場に戻ると、丁度最後の一人にクリスクロス(対カウンター技術の一種)が決まっていたそうだ。
大きな顔面に小さな拳が埋まっていた。子羊たちはそのまま休暇についたってわけだ。永遠のね。
伊藤(美紀)さんに肩をポンと叩かれて微笑まれたそうだよ。「よくあることなの。特別でないただの一日よ」と。

(月刊『秘伝』 斎藤千和インタビューより)