昨晩インターフォンが鳴ったので取ったら、 成人男性の裏声でこう言われた。 「ピカピーカーピカチューン!パパちゃんが帰ってきたチュー! 早く開けてッチュー!パパは○○たんに会いたいでチューン!」 思わず黙り込むと「ピカチューも一緒でチュウ!」。 「…あの、どちら様ですか?」と聞くと、一瞬の沈黙の後 バタバタっと足音がして、非常階段を駆け下りていく音がした。 ドアを開けると、非常階段のドア付近にビニール袋に入ったままの ピカチュウのぬいぐるみが。 うちの真下の階の家で、最近女の子が生まれたばかりだったので、 多分ここだろうと思い届けに行ったら 弁護士で、いつも不機嫌な顔の「パパちゃん」が出てきて、 「夜分遅くに大変申し訳ない事を……」と小さな声で謝られた。