2011/09/10 (土) 17:51:11        [qwerty]
ビル・ゲイツ、エネルギー問題を語る 
池田信夫 

きょうシアトルで、西和彦さんと一緒にビル・ゲイツにインタビューした。 
彼は福島事故について驚くほどくわしく知っていて、「合理的な日本人が非合理的な反応をしているのは残念だ」と言っていた。 
特に原発や放射線のリスクについての科学的知識が政治家や一般国民に 
知られていないことが問題を必要以上に混乱させている、と語った。 

印象的だったのは、中国がウェスティングハウスのAP1000を60基発注するという話だ。 
中国は世界中からエンジニアを集め、国家プロジェクトとして原子力開発を進めている。 
先月、第1号機が納品された。これは1基115万kWだから、合計6900万kW。これだけで日本の原発の合計をはるかに上回る。 
設計はすべて同じだから、コストも非常に安い。 

重要なのは安全性だが、AP1000のような第3世代の原子炉には、 
炉心溶融を物理的に防ぐ受動的安全装置がついており、巨大地震が起きても大丈夫だ。 
福島第一原発は古いマークⅠで、30年前から技術者が危険だと警告していた。日本も「脱原発か否か」といった不毛な論争ではなく、 
古い原発を新しい原発に代えて安全性を高めることも必要ではないか。 

エネルギー産業は、情報通信産業の次の大きなフロンティアだ。 
古い地域独占の電力会社が残っているおかげで、イノベーションの余地は非常に大きい。 
新興国は安くて効率的なエネルギーを求めている。環境問題を考えても、きわめて危険な石炭を減らすために原子力は重要だ。 
風力エネルギーも有望だが、フィードインタリフはイノベーションを殺してしまう。 

大事なのは、かつての通信と同じく、電力を全面的に自由化して競争を促進することだ。 
エネルギー産業でも、かつてマイクロソフトがIBMを倒したように、巨大な電力会社を倒すベンチャーが出てくる可能性がある。 
そのためには不合理な規制を徹底的に見直すことが必要だ。 
アメリカにはシェールガスもクリーンコールも第4世代原子力技術もあり、イノベーターも多い。足りないのは合理的な政府だけだ。