2011/09/16 (金) 19:37:28 ◆ ▼ ◇ [qwerty]ジーパン編のメインライターは鎌田敏夫である。
鎌田は天才だと思う。それは、円谷プロで言えば、実相時昭雄に近い、
資質をもつ人物であるし。人柄も似ている。世代が近いのだから当然だろう。
しかも、鎌田は自分が天才であることを知り尽くした自信家である。
そんな、鎌田の青春ドラマ以外の出世作がこのジーパン編だったわけだ。
「『太陽』のショーケンのラストクール、毎週面白くて、殆ど外れがなくて、
びっくりした。こっちも負けられないという感じだった。気合が入ったね。
自分としては日活アクションを自分なりにめざした。」(鎌田談)
確かにマカロニの末期の作品群ははっきり言って正気の沙汰ではなかった。
人気シリーズの土台が形成され、そして、やりたい放題のスタッフのパワーが
マカロニのラストクールの盛り上がりである。未解決事件は2つもあり、
ボスは日活アクションのように拳銃をぶっぱなし、殴る、蹴るの大暴れ、
37話「帰ってきた裏切り者」などもボスが主役。46話「黒幕は誰だ」では
そのボスが拳銃を撃ってドラマは終了する異色作となった。
48話「影への挑戦」などは初見の日は恐くて眠れないほどだった。
目に見えない悪がこの世には、存在するのだと。更に、マカロニが死ぬのだ。
全くの犬死、虫けらのように。…ゲストも豪華であり、ドラマは暴走している。
例えるなら、『帰ってきたウルトラマン』の11月の傑作群のムードに近い。
時期もかぶるし、テレビが一番暴走した時代だったのだろう。
マカロニの末期が、暴走のドラマなら、ジーパン期ははずれのない、
シリーズ構成と安定を図った『力』のドラマ、この時期ほど駄作凡作の全くない期間を他にあげるとすれば、
83年度のボギー、ブルースコンビの時代くらいしかあげることはできない。