何かをしなければ、何かをしなければ、と思いながらも、自分には、今の生活とはちがった何かの生活があるはずだと思いながらも、 ただ何となく毎日をすごしていく。 努力をしないで楽しいことのあろうはずがないと知りつつも、自分は意志薄弱な人間なのだろうかと知りつつも、毎日なんとなく生きている。 何かをしなければならない、何かをしなければならないとは思いつつも、ついに何かをする意欲がわいてこない。 何もする気にならない自分をなさけないとは思いつつも、やはり何もする気にならない。時々は何かをしようと思う。だがやはりそれは一時のもので、 すぐにやる気をなくしてしまう。そしてテレビを見て、心から信頼していない人と無駄話をして、自分が駄目なことを棚にあげて人の悪口をいって、 すばらしい人の、思わぬ欠点を見つけてホッとして、生きることもできず、死ぬこともできず、その二つの間に宙づりになって、何となく居心地のわるいような、 それでいて妙に居心地のいい生活をしている。