用事に出かける主人が、太郎冠者と次郎冠者を呼び出し留守番を 言いつけます。主人は桶を指し示して、この中には附子という猛毒 があるから注意せよ、と言い置いて出かけますが、二人は怖いもの 見たさで桶のふたを取ってみると、中に入ってたのは砂糖なので、 二人で桶を取り合って皆食べてしまいます。更にその言い訳のため といって主人秘蔵の掛軸を破り、台天目を打ち割ります。やがて主 人が帰宅すると二人揃って泣き出し、留守中に居眠りをせぬように 相撲をとっていたうちに、大切な品々を壊してしまったので、死ん でお詫びをしようと猛毒の附子を食べたがまだ死ねないと言います が、主人は当然の如く怒り、逃げる二人を追うのでした。 三日後、二人は秩父の山林で遺体で発見され、どちらも肛門に裂傷 および直腸から大量の蛋白質が検出されました。