子供の頃、初めて食べたファーストフードはドムドムだった。 子供の舌には夢みたいに美味しくて母親と買い物に行くたび食べていた。 高校生の頃、好きだった同級生がドムドムでバイトしていた。 友人たちとは街中のマクドナルドやロッテリアで過ごすことが多くなったが いつも一人で帰るときには先輩の居るドムドムに行った。 あのときのハンバーガーは何故か食べるとドキドキした。 大人になりファーストフードをあまり食べなくなった。 今月末にそのダイエーが閉店する。 日用品セールを目当てに数年ぶりにダイエーに行った。 まるでそこだけ年月が経っていないかのようにドムドムがあった。 無意識に先輩を探したが当然居なかった。 今日しか、もうドムドムを口にすることはないのかもしれない。 そう思うと自然と足がカウンターに向かった。 最後のドムドムの味は思っていたよりも美味しく、 一口ごとに少し淋しかった。 隣では3つになる娘が、満面の笑顔で初めてのハンバーガーにかぶりついていた。 ありがとう、さよならドムドム。