さて、最後に残ったのはST018である。 これはたった一つのソフトにしか使われていない非常に珍しいプロセッサーである。 ソフトの名前は、「早指し二段 森田将棋2」。将棋ソフトは処理速度を必要としたので、 独自プロセッサーをカートリッジ側に搭載したのも分かる話だ。 その解析裏話も面白い。どうやら、ST018にはデバッグコマンドがあり、プログラムや内部ROMをダンプする機能があった。 デバッグコマンドを実行するのは難しいが、Blarggというこれまた有名なエミュレーター作者によって、 スーパーファミコンにシリアルポートをつなぎ、PC側から任意のコードを実行させることができるツールが提供された。 さて、ダンプはできたのだが、一体どのような言語なのかわからない。そのバイナリを実行するHLEコードもない。 幸運なことに、Cydrakなる人物がバイナリを一目見ただけで、ARMv3 CPUだと鑑定してくれたので、実装を終えることができた。,