2012/03/16 (金) 19:20:12 ◆ ▼ ◇ [qwerty]◇◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◇◆ NMOデスクの「今号のイチオシ記事」
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◇◆ 亀甲 綾乃=日経メディカル オンライン副編集長
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□■ HDLコレステロールにも“悪玉”がある ■□
LDLコレステロール(LDL-C)は俗に「悪玉」、HDLコレステロール(HDL-C)は
「善玉」と呼ばれています。しかし近年、構成蛋白の酸化や欠損などにより、機
能に異常を来した「酸化HDL」や「機能不全HDL」といった「悪玉HDL」の存在が
明らかになってきました。元埼玉医大生化学教授の菰田二一氏は「HDL-Cが全て
善玉とは限らない」と語ります。
HDLの主な機能は、泡沫細胞からコレステロールを引き抜いて肝臓に送る逆転
送機能。他にも、抗酸化作用、抗炎症作用、抗血栓作用、内皮細胞の修復作用、
内皮細胞のNO産生促進作用など、多くの作用があります。この作用に期待し、
HDLを増やす薬剤が開発されてきました。
その一つが、コレステロール転送蛋白(CETP)阻害薬です。ところが、CETP阻
害薬の一つとして開発されたtorcetrapibは、12カ月間投与でHDL-C値を72.1%上
昇させたものの、投与群で心血管イベントの発生率や総死亡率が有意に増加した
ため、開発中止となってしまいました。考えられる原因について、阪大循環器内
科病院教授の山下静也氏は、「CETP阻害薬によって増えたHDLが機能不全HDLであ
った可能性がある」と話します。
◆日経メディカル2012年3月号「今月のキーワード」
悪玉HDL
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_146738_142340_5