>  2012/05/26 (土) 14:51:19        [qwerty]
> > 16時からF91見る?
> なんでこれを地上波で23年かけてやらなかったのかと思うと悔しくなるから見ない(;´Д`)

●機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード (全2巻)

 言わずと知れた「F91」の富野原作小説。
 映画では大胆にカット(笑)されたクロスボーン・バンガードが設立されてゆく過程が
ほぼ上巻まるまる一冊を当てて丹念に描かれて行く(ブッホ・コンツェルンの創業、ロナ家の系図を買うブッホ家、
マイッツアーの野心とその長男ハウゼリーの政界進出、マイッツアーの長女ナディアの放蕩と結婚。
入り婿カロッゾ、ハウゼリーの暗殺、ナディアの出奔、そして鉄仮面となったカロッゾによる
クロスボーン・バンガードの設立・・・)まるで歴史小説のようなこの「一族の歴史」は本当に面白い。

なんでこっちを映画にしなかったかといいたくなるくらいだ(まあ、理由は分かるけど) 
 後半はほぼ映画「F91」と同じシーブックとセシリーの物語が語られる。前半同様、
映画版では明らかに説明不足だった個所が丹念に描写されている。

 角川スニーカーに収録され、現在も簡単に入手出来る。

●解説

 映画版「F91」に人気が無いことに加え、富野御大将自ら「完全に商売で書いた小説」とおっしゃられるように、
この小説版もあまり人気が無い。
 が、この「F91」小説版は個人的には面白いと思う。左でも書いたが上巻のクロスボーン勃興の降りは
ジュニアノベルではまず出会うことの無い魅力を備えているし、何よりマイッツアーの離婚にはじまり、
入り婿カロッゾが娘ベラに殺されるまでを描いた「一族の物語」として面白いと思う。
 「閃光のハサウェイ」「オーラバトラー戦記」に次いで、「富野ファン以外にも勧められる数少ない富野小説」として
本書は長く記憶されるべきだろう。

 ちなみに初代ガンダムのことを「ファースト」と呼ぶようになったのは、
この小説でのモニカ・アノー(シーブックの母親)の台詞からではないかと思うのだがどうだろうか?



 

参考:2012/05/26(土)14時46分10秒