2005/10/29 (土) 21:52:40        [qwerty]
笑はれてもしかたがない。鵜のまねをする烏。見ぬくひとには見ぬかれるのだ。
よりよい姓名もあるのだらうけれど、僕にはちよつとめんだうらしい。いつそ
「私」としてもよいのだが、僕はこの春、「私」といふ主人公の小説を書いた
ばかりだから二度つづけるのがおもはゆいのである。僕がもし、あすにでもひ
よつくり死んだとき、あいつは「私」を主人公にしなければ、小説を書けなか
つた、としたり顏して述懷する奇妙な男が出て來ないとも限らぬ。ほんたう
は、それだけの理由で、僕はこの大庭葉藏をやはり押し通す。をかしいか。
なに、君だつて。