去年のクリスマス・イブの話。 夜の10時までコンビニでバイト。彼女もいない。お金も無い。惨めなオレ。 家に帰っても、もちろん何も無い。オレは買ってきた酎ハイを飲みながらTVを見る。 ニュースもバラエティもクリスマス一色。気分悪くなる。 炬燵に入りながら、そのまま寝ようとした時あることを閃いた。 「そうだ、サンタに彼女をお願いしよう。」 「もしかしたら願いくらいは…」 馬鹿である。馬鹿なことは自分でもわかっている。こんなことを考えているから彼女なんてできない。 しかし極限状態の人間は藁にでもすがりたいもの。 紙切れに「彼女」と書いて、さっきまで履いていた靴下を添える。 靴下に何が入るというのか?惨めな気持ちになったが、とにかく形式的に置いてみた。 就寝。 翌朝、目覚めると枕もとの靴下が無い。もしや?と思い周りを見渡す。・・・・見つからない。 ふと手に違和感を感じた。右手に靴下が履かされていた。