しかしその結果、団塊の世代は「ややこしい」ことが分かるのだという。彼 らは従来の“高齢者”の概念に収まらないのだ。詳しく書くと長くなるので割 愛するが、端的に言うと、「シルバー向けを意識させるものは嫌がられる」の だという。さらに趣向にまとまりがなく、ニーズが多様化している。55歳から 65歳までの彼らは、枯れることを拒絶しているのかもしれない。 とはいえ、身体能力は否応なく衰える。様々な機器や商品は進化しており、 新たなリテラシーを要するものは増える。 「かといって、『はいユニバーサルデザインです』という商品を作ると、 『オレをバカにしているのか』と概して不評だから難しい。彼ら(団塊の世 代)は現役世代と同じ、もしくは現役をリードする存在でないと、自尊心が傷 つくみたいなんです」(自動車メーカー商品企画担当)