>  2013/05/08 (水) 16:40:34        [qwerty]
> > 弱り目に祟り目とか(;´Д`)虻蜂取らずとか
> > 「他方が好意でやってることが他方の損失になる」みたいなのはなんだろうな
> ありがた迷惑(;´Д`)

お伽噺に於いては、たいてい、悪い事をした人が悪い報いを受けるといふ結末になるものだが、
しかし、このお爺さんは別に悪事を働いたといふわけではない。
緊張のあまり、踊りがへんてこな形になつたといふだけの事ではないか。
それかと言つて、このお爺さんの家庭にも、これといふ悪人はゐなかつた。
また、あのお酒飲みのお爺さんも、また、その家族も、
または、剣山に住む鬼どもだつて、少しも悪い事はしてゐない。
つまり、この物語には所謂「不正」の事件は、一つも無かつたのに、
それでも不幸な人が出てしまつたのである。
それゆゑ、この瘤取り物語から、日常倫理の教訓を抽出しようとすると、
たいへんややこしい事になつて来るのである。
それでは一体、何のつもりでお前はこの物語を書いたのだ、
と短気な読者が、もし私に詰寄つて質問したなら、
私はそれに対してかうでも答へて置くより他はなからう。

性格の悲喜劇といふものです。
人間生活の底には、いつも、この問題が流れてゐます。

参考:2013/05/08(水)16時37分28秒