> 2005/12/02 (金) 08:05:29 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> > アニキのあったかーい援助、待ってるよ
> > って伝言ダイヤルで残したらオタがばんばん殺到しそうだな
> 次はあたしのお話だよ。アニキ!
> 毎年、こんな強い風の吹く季節は 遠くの国の砂漠から 風に乗って黄色い砂がやってくるんだよって
> あの人は あたしの手をとって そう教えてくれた。
> ほんのちょっぴりだけ舐めた指先には きらっと光る 金色の砂が一粒 付いていた。
> あれから毎年 こんな風の吹く日は こうして 家の前に立って 独り ぼーっと待ってしまいます。
> あの人 あたしのお祖父さんは 町で ちょっぴり有名な 発明王だったの。
> あたしはいつも 優しいジジが大好きで ラボに入り浸ってたっけ。
> いつも着ているちょっぴり油の付いたツナギも 長く伸ばしてる真っ白な御髭も
> 笑うと 皺いっぱいのほっぺも みーんな大好きで いつも ジジに纏わり付いてたの。
> あたしが初めてメカに触ったのは ジジのラボだった。
> 「これなら 好きに弄っていいよ」って 貰ったガラクタを 組み立てたり 壊したり。
> 色々弄って遊んでる内に メカが動き出すようになったの。
> 「こりゃぁ 案外才能あるかもしれん。」「すごいなぁ。鈴凛。」
> ジジとアニキにいっぺんに褒められて とっても幸せ。
> 大好きなアニキの手 シワシワだけど 素敵なジジの手。
> それが遠くて遥かな 優しい思い出。
> ジジはその後 あたしの家にも あたしが使える ミニチュアのラボを手配してくれた。
> 「一年に一度位(ぐらい)の方が 成長振りが 良く分かる。どんな物が創れるようになったか 楽しみじゃのう。」って。
> あたしは ジジの手をとると 急かしてラボへと案内した。
> それは 毎年続いた…お祭り。
> それがちょうど こんな風の吹くころだった…。
> あたしが家の前で待っていると 強い風に煽られた 黄色い砂の舞う向こうに 小さな ジジの姿が 微かに見えてくるの。
> 今でも…こんな風にして待っていると… 鈴の大好きだったジジが 現れてくれそうな…気がするの。
> もう二度と 再び来る事の無い あたしの大好きなお祖父さん。
> 「ジジ…。あたし、来てくれないと…、涙がでちゃうよ。」
> 「あっ!」
> 「アニキ!」
> 「鈴。 これからは ジジの代わりに 僕が鈴をみてやるからな。」
> アニキは あたしがこうして待ってるわけを まるで知らないみたいに 笑ってくれる。
> 「えへっ。今日はね、ちょーっと特別な研究の 資金援助をしてもらおうかと思って、アニキが来るのを見張ってたんだぁ。」
> 「あははっ。」
> あたしは アニキが逃げない内に 急かして ラボへと連れ込んじゃった。
> そしてね 聞こえないくらい小さな声で これだけは言ったのよ。
> 「アニキ 来てくれてありがとね。」
> アニキ 聞こえたかな。
(;`Д)雲長兄者! 益徳!(`Д´)
川
(*´3`)(´ε`*)ちゅっちゅ
川
参考:2005/12/02(金)08時04分44秒