大変申し訳ありません、お届けに1時間ほどお時間頂戴しております。
それは、注文の電話で聞いた時間より早く到着した。

受け取りと支払いを早々に済ませ、机に運ぶ。
箱を開けて私は安堵した。あまり傷んではないようだ。

もちろんピザは焼きたてなのだが、受け取った時の不注意で床に落としてしまっていた。
その時から、箱の中はピザではない何かの塊に変わってはいないか、ずっと心配していたからだ。

見た目は茶色の、関西風お好み焼きとも、焦がしたﾁﾁﾞﾐのようにも見えた。
が、磯の香りは確かにした。ところどころにある、濃く茶色い部分はウニかのように思えたのは、ほんの一瞬だった。

注文時に半ば無理やりに押し付けられた、ピザカッターで一切れ切る。
焦げたご飯がカリカリと音を立てて断裁されていくのは、ライスピザならではだろう。

多少脂っぽい感覚に怒りを覚えながらも一口頬張ってみる。
チーズ焼きご飯とも、乾し飯チーズスナックとも思えるその風味に、ウニの味はしない。
時々感じる、塩辛くも磯臭いものが、ウニなのであろうか。
ダブルうに。クワッドでなくて本当に良かった。

私は残ったピザを手早く切り、口へ運ぶ。
そんな食事を爽健美茶は、爽やかにそして香ばしく彩った。

最後の一切れに手を伸ばし、あまりに早く届いたピザに今は若干の恨めしささえも抱きながら、食べ終えた。
振り忘れた刻み海苔と油だらけの箱をゴミ袋に押し込み、食事を終えた。

それは、とても甘美かつ心躍る待ち時間だった。