>  2014/06/04 (水) 20:28:47        [qwerty]
> > 東京スカイツリー行ったんだけど修学旅行生がいっぱいだった
> > 清楚な黒髪JCもいっぱい居て
> > 名札の下に「給食委員」ってバッジつけてるのをみたときは正直萌えた(;´Д`)
> 保健委員の女の子に介抱してもらう設定で1つ頼む(;´Д`)

……人は見た目じゃ分からないものだってホントだな……。
ようやく回転し始めた頭で最初に考えたことはそれだった。

いつもと何かが違う6月。
俺は毎度毎度開催される学校の行事で図書館へと出かけた。
なんでも「健全な大人になるためには、時に無償で働くことが
必要なこともあるのです」とかいうお題目で、
俺たち生徒は年に2度適当な場所でのボランティア活動を強いられる。
今回は図書館に行けという命令が俺に下った。

活動をするのは俺を含めて5人。
男子は俺ともう1人が予定されていたが、ヤツはこういう行事に
積極的なタイプでは無く、案の定「風邪」と称して休んだ。
女子3人のうち、2人は日常会話くらいの仲だったが、
もう1人は全く行き来が無かった。

というのも、そいつの背丈は160cm超、肉付きが全く無い茶筒の様な体形。
そして、かけている眼鏡の向こうに鎮座する切れ長の目は
何時も人を品定めしているような不気味さがあった。
話しかけても「あーそう」程度の返事が来れば良い方、という
どうしようも無い無愛想ちゃんだったからだ。

事前に他の女子とは「当日楽だと良いなぁ」と馬鹿話をしたが、
そいつとは目も合わせないようにした。
当日も、そいつとは関わり合わないよう作業をしようと決めていた。

だが、図書館の職員は
「あー、男子くん1人休んじゃったかー。じゃあ、そこの背の高い女子の人。
ええ、あなた。それと男子の君は、僕と閉架の片付けをしましょう。
他の2人はカウンターの手伝いに回ってください」と無神経に言い放ち、
俺の願望を真逆な方向で叶えてくれた。やる気が完全に失せた。

図書館の職員はお構いなしに閉架へ俺たちを連れて行き、
作業の説明を始め、
「えー、閉架の本はですねー、古いモノが多くなっています。
それと雑誌のバックナンバーですねー。えー、そこでですねー
雑誌のバックナンバーを移動させてもらいたいんです。
片付けないと、次のが入りませんからねー。
空きスペースが地下2階にあります。そこへですねーこの書棚
3本分の雑誌、んー1000冊までは無いと思うんですけどー、これを動かして、
そして動かした後、棚にこのラベルを貼ってください」と1度に言い切った。

閉架は窓も少なく、ほこりっぽい。そして薄暗い。
本の保護のためだそうだが、気持ちの良い空間では無い。
雑誌を動かすと、棚の奥に虫のミイラも居る。
最初の内は虫を見る度に「う゛ぁーあ」と変な声が出ていたが、
5匹目くらいで慣れた。それに相方のあの女は俺が何をしていようと
無反応で、「はい、これ」と雑誌の上部を拭いた本を俺に渡すだけであった。
本を運ぶ「ブックトラック」というものがあるそうだが、
狭い閉架では使えないらしく、全ての作業は人力だった。
窓も無く、空気の悪い閉架が徐々に蒸し暑くなってきた。

こうなれば、一刻も早く作業を終え、ここから出るしか無い。
ようやく書棚1本分の雑誌が片付き、あの女は本を拭く以外に棚と床の拭き掃除も始めた。
ここまでで作業は1/3。
時間がどれくらい経ったかはよく解らなかったが、2本目が終わった。
あの女は淡々と雑巾で本や床や棚を拭いている。
少しは俺を手伝えと思ったが、ペースが乱れるのもあの女にものを頼むのも
嫌だったので、残りの棚の本を運ぼうとした瞬間、頬が冷たくなった。

あれ? 俺どうした? 頬が冷たい。ほこり臭い。あれ?
どうやら俺は倒れたらしい。
あれ? 俺どうした? まだほこり臭いけど、頬に温かさと柔らかさを感じる。あれ?
こんなものあったっけ? あ、枕か。じゃあ使おう――。
いつものように乱暴にその温かいものを引き寄せた。
柔らかい。俺の枕はこんなに柔らかかったろうか。
枕を更にギュッとつかんだら「キャッ」という声がした。

え? 何とも重い頭を横に向けて薄目を開けると、
これまた何とも表現しがたい表情で俺をのぞき込んでいるあの女が居た。
俺はあの女に膝枕をされていたのだ。しかも股間側に顔を埋めるうつぶせ寝で。

「君、倒れたんだよ。どうしようかって思ったけど、
頭が床についたらアレだと思って、とりあえず僕の膝にのせたら、
僕の太ももは揉むし、お尻に手は回すし……」
なんたること。
俺は枕だと思ってあの女の下半身にやりたい放題をしていたらしい。

「君、本当に具合悪かったのかい? 僕の太ももをずーっとなで回してさ。
エロ親父」
反射的に誰がエロ親父だと言い返そうと思ったが、声が出なかった。

「あー、君、まだ寝ててー。氷のう持ってきたから、頭と脇に当てて」
職員が氷のうを持ってきた。だが、気の利かない職員は裸で氷のうを持ってきた。

「これ、直接じゃ冷たすぎるよ。仕方ない。僕のスカートの中に
頭のヤツは入れるから、君、その上に寝なよ」
と言うなり、スカートの中に氷のうを入れ、俺の頭を冷やし始めた。

冷たくなかったのかと後で聞いたら、
女の子はこういう時スパッツはいてるもんだよ? 君、とのことだった。

ようやく声が出始めたので、もういいと言ったら、
「あー、いいんだよ、君。僕は保健委員だから。こんなこともある」と
だけ言って、俺の頭をなで始めた。

参考:2014/06/04(水)19時40分45秒