スーパーカミオカンデでは、東大の学生たちが1日3交代制で「見張り」をしています。しかも昼間は2人、夜と朝は1人だけなんだそうです。 地中1000メートルにおいて、なんという孤独でありましょうや。しかも一昼夜、計器類を見張っていても、ニュートリノが巨大な水槽で チェレンコフ光を発するのは、いいところで1日2~3回であると聞きました。ましてや超新星に出くわすなんて幸運は、 何年がかりで待ち続けるほかにない。かくも地道な努力の上に、ノーベル賞は舞い降りたのであります。 われわれがスーパーカミオカンデを訪れた時に、当直だった2人の東大学生はいずれも外国人でした。いかにも頭の良さそうな中国人学生から、 達者な日本語で説明を聞いておったのですが、ちょっとだけ複雑な心境がなかったというとウソになります。