2015/10/31 (土) 18:35:05        [qwerty]
私はただの農夫だ この歳になるまで城下を出て行ったこともない
両親はとうの昔に亡くなり 来る日も来る日も農作業に明け暮れ
僅かばかりの酒とたまに来る見世物が楽しみだった
そんな生活に嫌気がさしていたが それから逃れる術もなかった
ある日山奥で勇者と思しき若者が倒れているのを見かけた
彼は瀕死の傷を負っていた
顔を見て驚いた 私と瓜二つなのだ
私は彼を救おうかと思ったが別の考えが頭をよぎった
彼はやがて息絶えた
私は彼を土深く埋め 彼の持ち物を身につけた