2015/11/02 (月) 18:24:37 ◆ ▼ ◇ [qwerty]実際に大分県姫島村で起きた姫島村リンチ殺人事件を題材に創作されたドラマである。
菊島で、島じゅうで爪はじきのヤクザ者・江口高雄が撲殺された事件があった。殺された江口高雄は、港の工事
の関係で7年前に島に現われ、そのまま住みつき、氷屋やカフェー、パチンコ屋を経営していた。江口は刃物で
島民を脅してパチンコを無理矢理やらせたり、自分の家の洗濯物を洗わせたり、乱暴狼藉を働いていた。
江口は島民たちに殺されたのだった。その事件をテレビ映画にするために、村の島民の協力で撮影が行なわれて
いた。登場人物は死んだ男以外は、すべてそのまま島民がやるという趣向で、残りのシーンもあと二つだけだっ
た。だが、事件前に江口が公民館に殴り込んできた時の場面を現場検証どおりに再現すると、灰かぐらのあがっ
た火鉢の鉄ビンはお湯でなければならないが、供述書では「鉄ビンの水」をかけられたとなっていて、辻褄が合
わない。青年の一人が、「あれは酒じゃったかもしらんなァ」と言うが、リーダー的な青年は頑なに「水」だと
言い張った。
演出家は、とりあえず出来ているフィルムを島民に見てもらおうと、公民館で試写会を開いた。しかし意見を求
めても島民の反応はうすく、自分たちが行なった行為に対して確信がないような逃げ腰の雰囲気だった。味方に
なろうとしているのに何かを警戒している様子だった。演出家は江口の妻へ取材に行った。バー「キューピー」
をやっていた妻は店の売却先が決まって、島に遠慮がいらなくなったため、法廷では言えなかったことを語りだ
した。妻は、自分たちが島民から他所者扱い、泥棒扱いされていたと訴え、江口が働いたひどい乱暴もパチンコ
と洗濯物の2件しかないと言った。事件の前の夜も、友だちが欲しかった江口は公民館の宿直の者たちに酒をす
すめに行ったのだという。7年間も他所者扱いされ続けていたら、淋しがり屋の夫が乱暴者になるのは当り前だ
と妻は開き直った。
演出家が少しナレーションを江口擁護に変えながら、島民が武器の薪を持って江口を襲撃に行くシーンを撮影し
ていると、突然、島民たちが撮影班の方向に向きを変えて押しよせてきた。
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