小さな牧場で生まれた白くかわいい小羊は首につけた鈴の音から、チリンと呼 ばれていた。羊達は平和で静かな生活を続けていたが、ある日血に飢えた狼 ウォーに襲撃され、チリンの父母を含め牧場の羊達はことごとく殺されてしま う。生き残ったチリンは、復讐の念に燃えた。そしてウォーに近づき、強い動 物になるための訓練を重ねる。時が経ち、再びウォーが牧場を襲ったが、その 前に敢然とチリンが立ちふさがる。激しい格闘のすえ、チリンは、復讐を遂げ た。そして、もう一度緑の牧場で仲間達と一緒に暮したいと思ったが、変身し たチリンを仲間達はだれも受け入れようとはしなかった。独りになったチリン は山へ帰っていった。その後、谷間にチリンの鈴がかすかに聞こえはしたが、 それっきり、チリンの姿を見たものはいなかった。