23日付の香港紙「東方日報」などは、来月10日に中国本土で予定されて いたハリウッド映画「SAYURI」(ロブ・マーシャル監督)の初上映が 中止されたと報じた。中国人女優の章子怡(チャン・ツィイー)さんがヒロ インの芸者役を演じていることから、中国人に旧日本軍の従軍慰安婦問題を 思い起こさせ、反日感情の悪化につながることが懸念されるためと同紙は伝 えている。 「SAYURI」は、スティーブン・スピルバーグ氏が製作総指揮を執 り、中国のトップ女優、鞏俐(コン・リー)さんも芸者役で出演する。 中国のインターネット上では昨年から、章さんが芸者役を演じることにつ いて「国を辱めるものだ」といった批判の書き込みが相次いでいた。報道に よると、中国では来月10日に上映が始まる予定だったが、国家放送映画テ レビ総局が「扱うテーマが敏感」との理由で中止を決めた。その後の上映計 画についても審議しているが、許可される可能性は低いという。