オレは漁師町に住んでるんだが、中学生のころ、ある雨の日の学校からの 帰り道、変な奴に出会ったんだよ。 そいつはコンクリートの岸壁のガードレールの柱の上にちょこんと座っていて、 くすんだ暗い水色の肌の裸の猿のような奴だった。 大きさもちょうどニホンザルぐらいの大きさで、顔が目がちょっと大きめの キンシコウ(あややみたいな顔をした中国の猿)に似ていて、 オレが通りがかったときはみかんをもぐもぐと食っていた。 オレは「なんだ?こいつは・・・」と不思議に思っていると、いきなり奴が みかんの皮を投げつけてきたので、オレがかばんを振り回しておどかして やったら、そいつは海に飛び込んで潜ってどっかに行ってしまった。 なんだったんだろうなぁ。