2006/02/11 (土) 20:17:40 ◆ ▼ ◇ [qwerty] にほん がつ あめ きせつ すいがい きせつ せかい こう
日本の6月は雨の季節。水害の季節でもあります。きょうは世界の洪
ずいひがい はなし
水被害についてのお話です。
せかいみず じむきょく さいがいべつねんへいきんえいきょうしゃすう かんたん しりょう
世界水フォーラム事務局の災害別年平均影響者数という簡単な資料があ
しぜんさいがい こうずい かっすい ふうがい じしん じ かざんふんか
ります。自然災害を洪水、渇水、風害、地震、地すべり、火山噴火、そ
た しゅるい わ しゅべつごと ねんかん えいきょうしゃすう しら
の他の7種類に分けて、その種別毎の5年間における影響者数を調べた
ずひょう お せん
図表(折れ線グラフ)です。
とうけいきかん ねん ねん ねんかん はじ つぎつぎ ねんかん
統計期間は1973年から77年の5年間に始まり、次々と5年間を
さいご ねん ねん ねんかん きかん
まとめ、最後は1993年から97年の5年間にいたる5期間です。こ
ねん はじ さいきん きかん こうずい かっすい ふうがい
のうち1983年に始まる最近の3期間について、洪水、渇水、風害の
しぜんさいがい えいきょうしゃすう じしん さいがい おお き
3自然災害による影響者数をみてみましょう。地震など4災害は多い期
かん せんまんにんていど こうずい かっすい おくすうせんまんにん
間でも1千万人程度ですが、洪水、渇水などでは1億数千万人というオ
ーダーです。
えいきょうしゃすう かっすい ねん ねん
影響者数のうち渇水によるものは、1983~87年の5年をピーク
げきげん こうずい えいきょう う とし お きゅうぞう
に激減していますが、洪水の影響を受けたものは年を追って急増しつつ
た さいがい よこば じょうたい
ある、その他の災害は横這い状態ということのようです。
ねん かっすい えいきょう う ひと ひがいしゃ おお
1983~87年に渇水の影響を受けた人(被害者)が多いのは、こ
ねん せかいてき かっすいねん
の5年が世界的に渇水年であったことによるものです。
こうずいひがい おお ちきゅうおんだんか えいきょう
では、洪水被害が多いのはなぜでしょうか。地球温暖化の影響という
みかた たし ちきゅうおんだんか すす あめ ふ ふ
見方もあります。確かに地球温暖化が進めば雨が降るときはやたらに降
ふ まった ふ こうすいりょう へんどう はば おお
り、降らないとなると全く降らないという、降水量の変動の幅が大きく
よそう たんさん どうよう ふ
なることは予想されています。それは炭酸ガスなどがいまと同様に増え
よそう ねんいこう せんまんにん
ていけばそうなるという予想であって、1973年以降2~4千万人だ
すいがいひがいしゃ きゅう おく せんまんにん おく ぜんまんにん じじつ
った水害被害者が、急に1億1千万人から1億3千万人になった事実の
せつめい
説明にはなりません。
もとけんせつしょうかせんきょくちょう おだ ひと にんげん ち
元建設省河川局長の尾田という人によると、これはわれわれ人間の地
きゅうじょう す かた もんだい おだ もときょくちょう ねん
球上での住まい方の問題だとのことで、尾田元局長は「1975年から
やく ねんかん じんこうぞう やく おくにん およ だいぶぶん はってんとじょうこく
の約25年間、人口増は約20億人に及んでいて、大部分は発展途上国
お よ きょだいとし しゅうちゅう
で起きている、それもメガ・シティと呼ばれる巨大都市に集中している。
とし こうずい たい あんぜん とち りよう つ
そうした都市では洪水に対して安全な土地はすでに利用され尽くされて
あら じんこうぞう こうずい きけん どしゃさいがい き
いる。こうなると新たな人口増は洪水の危険があったり、土砂災害の危
けん たか つか とち しゅうちゅう え の
険が高くて使われていなかった土地に集中せざるを得ない」と述べてい
さき きんねん こうずいひがいしゃ きゅうぞう けっ
ます。こうしたことが先ほどの近年における洪水被害者の急増という結
か かんが
果をもたらしたと考えられます。
はってんとじょうこく じんこうぞうか つづ きょだいとし しゅうちゅう
このような発展途上国での人口増加はさらに続き、巨大都市への集中
けいこう よわ こうずいたいさく とうし ひやくてき
という傾向も弱まることはないでしょう。洪水対策への投資が飛躍的に
ふ かぎ せかい こうずいひがい ふ よそう
増えない限り、世界の洪水被害はこれからも増えていくと予想しないわ
けにはいきません。