プロジェクトX 挑戦者たち 挑戦ハイテク印刷機▽操業停止・命の融資 「焼け跡の家族工場・世界へ」 官公庁や学校などで幅広く使われている自動孔版印刷機を、日本で初めて開発 した技術者の奮闘をたどる。開発を成し遂げたのは、敗戦直前に陸軍士官学校 を卒業した羽山昇。戦わずして敗戦を迎えた彼は教師になろうとした。だがGHQ から公職追放令が発令され、15日間だけ職業軍人として部隊を指揮した彼は夢 を閉ざされた。そんな折、ガリ版刷りの参考書を読んでいる学生たちを目に した羽山は、ガリ版印刷の仕事なら世の中の役に立てると思い立った。厳しい 修業を終えた彼は、自宅で小さな印刷所を開業。昭和40年代には従業員300人を 擁するまでに成長したが、そこへガリ版刷りのライバルとなるコピー機がアメ リカから入ってくる。