「しかたありません、あの女、腐葉土に埋めてしまいましょう」 「よいのですか? 女を腐葉土に埋めても」 「そういうことも必要なのです。腐葉土もときには女を覆うブランケェトとなりましょう」 「はい、はい。覆うのですね、腐葉土で」 そう言うとゆかりは手で一心不乱に枯葉の下をほじくりはじめた。 麻美子は黙ってうつむいていたが、長い髪に隠れた口の端がヒキリとゆがんでいた。