2006/03/15 (水) 14:13:38        [qwerty]
さて、n 次元リーマン多様体の接空間は n 次元ユークリッド空間とみなせるので、
互いに直交する n 個の単位ベクトル(つまり正規直交系)をとることが出来る。これを h(k) (k=1,2,・・・,n) と書き、
その反変成分を h(k)^i と書くことにしよう。この中のベクトルを一つ固定しそれを h(a) としておく。この h(a) に対し、
他の(n-1 個の) h(b) とのペアから断面曲率をつくりそれらを全て加えて

   Q(h(a)) = Σ_b K_p(h(a),h(b)) 
       = Σ_b R_{lkij} h(a)^l h(b)^k h(a)^i h(b)^j

とおく。ここで b に関する和をまずとるのであるが、その際次のことに注意する。

まず、h(k) が正規直交系をつくることより

   g(h(e),h(f)) = g_{ij} h(e)^i h(f)^j = δ_{ef}

であるが、g_{ij}h(e)^i が h(e) の共変成分 h(e)_j であることに注意すると

   h(e)_j h(f)^j = δ_{ef}

なる関係式を得る。